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ソープランドの開業方法|開業・運転資金の相場も紹介

ソープランドの新規開業は、法令の制限により、デリヘルなどの他の風俗に比べて高いハードルを超えなければなりません。そのため、M&Aの方法により開業を目指す方法が、ソープランドの開業については一般的です。

この記事では、ソープランドの開業に必要な資金の相場や、開業する場合の基本的な流れについて解説します。ソープランドの開業を目指している方は、開業に必要な作業・手続きなどを理解するために、ぜひ参考にしてください。

 

1.減少傾向にあるソープランドの開業数

ソープランドを含む風俗店は営業形態によって、「店舗型性風俗特殊営業」と「無店舗型性風俗特殊営業」に分類できます。ソープランドは、「店舗型性風俗特殊営業」の「1号営業」に分類されるお店です。

警察庁の資料によると2021年度の店舗型性風俗特殊営業・1号営業の届出数は1,185件で、前年と比較し、22件減少しました。届出数を2017年度と比較すると32件減少しており、新規出店数は減少傾向であることが読み取れます。

出典:警視庁「風俗営業等業種一覧」

出典:警察庁「令和3年における風俗営業等の現状と風俗関係事犯の取締り状況等について」

 

1-1.新規開業が難しいソープランド

風営法ではソープランドに関して第28条で、営業禁止区域を定めています。たとえば、学校・図書館・児童福祉施設がある場所やこれから建設が決まっている場所の周囲200mが営業禁止区域です。

第二十八条 店舗型性風俗特殊営業は、一団地の官公庁施設(官公庁施設の建設等に関する法律(昭和二十六年法律第百八十一号)第二条第四項に規定するものをいう。)、学校(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)第一条に規定するものをいう。)、図書館(図書館法(昭和二十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定するものをいう。)若しくは児童福祉施設(児童福祉法第七条第一項に規定するものをいう。)又はその他の施設でその周辺における善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為若しくは少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止する必要のあるものとして都道府県の条例で定めるものの敷地(これらの用に供するものと決定した土地を含む。)の周囲二百メートルの区域内においては、これを営んではならない。

引用:e-gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」/引用日/2023/3/24

また、風営法では地域の風俗環境や子どもの健全な育成に支障がある場合は都道府県の条例により、営業禁止区域を定めることを許可しています。以下は、風営法第28条2項の条文です。

前項に定めるもののほか、都道府県は、善良の風俗若しくは清浄な風俗環境を害する行為又は少年の健全な育成に障害を及ぼす行為を防止するため必要があるときは、条例により、地域を定めて、店舗型性風俗特殊営業を営むことを禁止することができる。

引用:e-gov法令検索「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」/引用日/2023/3/24

たとえば愛知県では、県内全域でソープランドの営業が禁止されています。全国的にも、住居が密集している場所は営業禁止区域に指定されている可能性が高いでしょう。

出典:愛知県警察「性風俗関連特殊営業の営業開始届出手続」

ソープランドを新規開業するためには営業禁止区域に含まれていない場所を確保してその他の要件を満たし、届出を行わなければなりません。しかし、現実問題として条件を満たす場所が簡単に見つからないため、ソープランドは他の業種と比較し、開業難易度が高いと言えます。

 

1-2.ソープランドの開業方法

ソープランドの開業難易度が高いとは言え、ポイントを押さえて準備すれば、開業が不可能とは言えません。風営法第28条の第3項では営業禁止区域の規定が施行される前から届出を行い、営業していたソープランドの既得権を認めています。そのため、ソープランドを開業する際には既得権を持つお店の法人経営権を取得し、屋号を変える方法が一般的です。

以下では、既得権を持つお店の法人経営権を取得する際の大まかな流れを示します。

  1. 既得権があるソープランドを経営している法人を見つける
  2. 法人の代表者に株式譲渡の交渉を行う
  3. 株式を買収し、経営権を取得する
  4. 法人の代表者を自身に変更する

ただし、既得権を持つソープランドは希少価値が高く、売却したい経営者の情報が簡単に見つかるとは限りません。また、たとえソープランドの経営権を取得できても全面的な改修を行うと、既得権を失う可能性があります。既得権を生かして開業するためには、既存の建物や設備に軽微な変更を加える程度の改修に留めることが必要です。

 

2.ソープランドの開業に必要な資金の相場

ソープランドの経営者として成功するためには、開業資金と運転資金の両方が必要です。両方を合計すると多額の資金が必要になるため、以下で相場を把握して、入念な事前準備を進めてください。

資金力に自信がない場合は、より低予算で開業できるデリヘルの開業を考えることもおすすめです。

デリヘルの開業に必要な資金|安く抑える方法も解説

 

2-1.開業資金:1,000万円以上

開業資金とは、設備・備品の購入や改修工事費など、お店を開業できる状態を整備するために必要な資金のことです。ソープランドを開業する際には以下の費用の合計で、1,000万円以上かかることも多くあります。

  • 法人経営権の取得費用
  • ホームページの制作費用
  • 備品の購入費用
  • ポータルサイトへの広告掲載費用

法人経営権の取得費用は多くの場合、お店の場所・建物の状態・部屋数などに応じて変化します。法人経営権の取引を第三者に仲介してもらう場合には、仲介費用も必要です。

開業するソープランドの存在を多くの人に知ってもらうためには費用をかけて、集客用のホームページを制作しなければなりません。ホームページの制作を専門業者に依頼する場合の費用相場は、10万円〜30万円程度です。

ソープランドの集客では、エリアの人気店や人気の女の子を紹介しているポータルサイトに広告掲載する手法もよく採用されます。広告掲載する際の費用相場は運営業者やプランに応じて異なるものの、5万円〜30万円程度を1つの目安と考えましょう。

 

2-2.運転資金:2,000万円以上

運転資金とは、人件費・家賃・水道光熱費など開業後に経営を継続させるために、必要な資金のことです。運転資金は毎月一定の金額を支払う「固定費」と、売上に応じて変動する「変動費」に分類できます。ソープランドは「固定費」にあたる家賃の負担が比較的重い上、接客を担当する女の子の人件費が高い業種です。十分な運転資金がないとせっかく開業したお店を手放さなければならないリスクもあるため、2,000万円程度を用意しましょう。

さらに、ソープランドでは指名の多い女の子が退店すると一時的に、売上が減少します。売上が減少する時期を乗り切るためには、経営が軌道に乗った後も油断せず、常に手元に一定の運転資金を置いておくことが重要です。

 

3.ソープランドを開業する流れ

ソープランドを開業する際には風営法に関係する手続きから経営ノウハウまで、広範な知識が必要です。他の業界からの参入を考えている人は特に馴染みのない知識も多いため、以下で概要を把握し、開業に向けた最初の一歩を踏み出しましょう。

 

3-1.M&Aにより経営権を取得する

風俗におけるM&Aとは、既存のお店の経営権を取得することを指します。ソープランドを開業するためには、「経営権を譲りたい」と思っているお店の経営者を探して交渉し、法人代表者の名義変更を受けましょう。

ソープランドの経営者との人脈がない人は、ソープ街のコミュニティに参加して、情報収集する方法がおすすめです。もしくは、風俗業界専門のM&Aサイトを活用し、専門家のサポートを受けましょう。一部のM&Aサイトでは開業希望エリア・予算を登録しておくと希望に近いお店を探し、紹介してくれるサービスも存在します。

 

3-2.営業に向けた準備を進める

ソープランドの営業開始までには、「備品や設備の準備」「コース時間や料金設定の検討」「女の子やスタッフの採用」などが必要です。準備する備品や設備には、プレイで利用するグッズ・ベッド・電話・送迎車などが含まれます。

女の子やスタッフは以下の方法を組み合わせて、必要な人数を確保しましょう。

  • ポータルサイトに求人広告を掲載する
  • お店の公式ホームページで求人を募集する

過去に風俗業界で働いた経験がある人は、すでに退職している過去の同僚に声をかけて、スタッフとして働いてもらう方法もあります。

 

3-3.各種書類を提出する

ソープランドの経営者が変更する場合は、各種の書類を警察署に届け出る必要があります。必要な書類は、所在の都道府県警察のWebサイトからダウンロードして使用できます。届け出た書類が警察に承認されれば、ソープランドの経営が可能です。

ただし、風営法関係の手続きは随時変更されるため、不安を感じる場合は行政書士などの専門家からサポートを受けると安心です。風営法に関して十分な知識がない人は風俗店の開業に精通している専門家に相談し、サポートを受けつつ手続きを進めましょう。

出典:警視庁「性風俗関連特殊営業、深夜酒類提供飲食店営業の届出」

 

まとめ

ソープランドの開業を行う場合は、新規開業が難しいという問題があるため、M&Aにより既得権を獲得して営業を始める必要があります。また、ソープランドの開業には、開業資金・運転資金を合わせて3,000万円以上の資金が必要です。そのため、ソープランドの開業には、非常に高いハードルがあると言えます。

風俗店の開業を検討している場合は、比較的開業へのハードルが低いデリヘルを選ぶことがおすすめです。さまざまな手続きが必要ではあるものの、ソープランドに比べて法律面でも資金面でも、ハードルが低いと言えます。開業へのハードルの高さについて見つめ直し、本当にソープランドの開業を目指すべきか再検討してみましょう。